花むらでは、とんかつ、チキンカツ、エビフライ、ささみカツ、唐揚げなどを、厨房で一つずつ仕込んでいます。
衣の付いた完成品を仕入れて、揚げるだけにする方法もあります。
そのほうが早く、仕込みの手間も減り、作業も均一になります。
それでも花むらが手作りを続けているのは、昔からそうしているから、というだけではありません。
おいしく仕上げるために、必要な工程だと考えているからです。
肉やエビは、一つひとつ状態が違います。
肉の厚み、水分、やわらかさも、毎回まったく同じではありません。
だから花むらでは、素材の状態を見ながら、粉の量や卵の絡ませ方、パン粉の付け方を調整します。
パン粉をただ付ければよいわけではありません。
強く押さえすぎてもいけませんし、逆に軽すぎると、揚げた時に衣が剥がれやすくなります。
素材に合わせて丁寧に衣をなじませることで、肉と衣が一体になり、食べた時にも衣だけが剥がれにくくなります。
また、衣を付けた状態で長期間冷凍・保管された商品と比べると、厨房で仕込んだ揚げ物には、
パン粉の食感が立ちやすい。
肉の水分を保ちやすい。
揚げた時の香りが出やすい。
そんな良さがあります。
もちろん、手作りなら何でもおいしくなるわけではありません。
素材を見て、触って、状態に合わせて仕上げる。
その積み重ねがあって、初めて手作りの良さが生まれます。
花むらが手作りを続けるのは、手間をかけていることを自慢したいからではありません。
おいしくするために、その手間が必要だからです。
店舗が増え、作る数が増えても、花むらは揚げる前から弁当を作っています。
それが、花むらの揚げ物です。
