🐈 会社の前に、猫がいる。

 

うちの会社の前に、
最近、いつまでも居座る猫がいる。

めちゃくちゃ人懐っこい。
こっちが歩けば足にまとわりつき、
止まれば「にゃあ」と見上げてくる。

逃げる気配なんてゼロ。
「お前、ここを自分の家と思ってないか?」ってくらい堂々としている。

かわいい。
いや、ほんまに可愛い。

でもなあ……

僕は食品会社に勤めている。
衛生面には人一倍気をつけんといかん職種や。

もちろん家で飼う余裕もないし、
「おいで」なんて無責任なことも言えない。

でも、朝会社に入るときも、
夕方帰るときも、
僕の足元に寄ってくるその姿を見ると、

どうしたって心が揺れる。

「なあ、お前はここで何を待ってるんや?」
「誰かを待ってるのか?」
「それとも、ただ甘えたいだけなのか?」

返事はないけど、
そのまっすぐな目を見ていると、
こちらの方が試されている気がする。

人と人でもそうだけど、
“関わる” ってことは、
責任が生まれるってことやと思う。

優しさは時に、
中途半端に手を伸ばす方が残酷なときもある。

だから、まだ距離を決めかねている。

でも、明日もきっとあの猫はいる。
そして、僕もまたその前を通る。

「可愛い…でも、どうしたらいいんだろう。」

そんな小さな悩みを抱えたまま、
今日も会社のドアを開ける。

※保健所ではなく、地域猫として見守る方法を調べてみようと思います。