うちの会社の前に、
最近、いつまでも居座る猫がいる。
めちゃくちゃ人懐っこい。
こっちが歩けば足にまとわりつき、
止まれば「にゃあ」と見上げてくる。
逃げる気配なんてゼロ。
「お前、ここを自分の家と思ってないか?」ってくらい堂々としている。
かわいい。
いや、ほんまに可愛い。
でもなあ……
僕は食品会社に勤めている。
衛生面には人一倍気をつけんといかん職種や。
もちろん家で飼う余裕もないし、
「おいで」なんて無責任なことも言えない。
でも、朝会社に入るときも、
夕方帰るときも、
僕の足元に寄ってくるその姿を見ると、
どうしたって心が揺れる。
「なあ、お前はここで何を待ってるんや?」
「誰かを待ってるのか?」
「それとも、ただ甘えたいだけなのか?」
返事はないけど、
そのまっすぐな目を見ていると、
こちらの方が試されている気がする。
人と人でもそうだけど、
“関わる” ってことは、
責任が生まれるってことやと思う。
優しさは時に、
中途半端に手を伸ばす方が残酷なときもある。
だから、まだ距離を決めかねている。
でも、明日もきっとあの猫はいる。
そして、僕もまたその前を通る。
「可愛い…でも、どうしたらいいんだろう。」
そんな小さな悩みを抱えたまま、
今日も会社のドアを開ける。
※保健所ではなく、地域猫として見守る方法を調べてみようと思います。

