お弁当屋の世界には「おふくろの味」という便利な言葉があります。
よく見るし、聞き慣れているから、なんとなく“わかる気”になる。
でも、ふと考えました。
おふくろの味って言うなら、
親父の味は?
親戚の味。
先生の味。
友達の味。
近所のおっさんの味。
ぜんぶ「ありえる味」ですよね。
なのに、これらはまったく定着しない。
たしかに「近所のおっさんの味」と看板にあったら、
ちょっと入るのに覚悟がいる。
では、なぜ「おふくろの味」だけが生き残ったのか?
結局のところ、
“食べる機会の多さ”が正義
なんだと思います。
母の料理を食べた回数が圧倒的に多いから、
人の記憶に「原点の味」として残る。
ただ、それだけの話。
とはいえ、機会という観点で考えるなら、
友達の家で食べたカレーだって、
親戚の家で出てきた焼きそばだって、
ときには人生の味を変えるほどのインパクトがあったりする。
そして頭の片隅では、こうも思う。
もし町のどこかに
「異星人の味」
と幟を上げている店があったら……
正直、怖い。
怖いけど……
ちょっと入ってみたくなりません?(笑)

