和歌山のコンビニセルフレジの前で、昭和の弁当屋が立ち尽くした話

昨日、近くのコンビニに立ち寄った。

店に入ると、レジの様子がなんだかいつもと違う。
よく見ると、完全セルフレジになっていた。

ほほう、これが噂のやつか。

ちょっとドキドキしながら商品を置く。

ピッ
ピッ
ピッ

うむ、どうにか順調に進んでいる。

画面の指示に従いながら、四苦八苦しつつ操作していると、突然こう表示された。

「年齢確認のため従業員をお呼びします。お待ちください。」

あ。

そういえばお酒を買っていた。

すると奥から店員さんが小走りで出てきて、画面をピッと操作してくれた。

申し訳ないなあ…と思いながら、ふと考えた。

んんん……
これ、無人レジちゃうんか?

機械は無人。
でも、結局人を呼ぶ。

なんだかよく分からない世界だ。

そしてレジを終えて店を出た。

その時ふと気づいた。

今日、この店で私は一度も
「いらっしゃいませ」も「ありがとうございました」も聞いていない。

別に怒っているわけでもない。

ただ、なんだろう。

違和感というより、
ちょっと居心地が悪い。

昭和世代の人間だからだろうか。

買い物というのは

「いらっしゃいませ」

から始まり

「ありがとうございました」

で終わるものだと、体に染みついている。

たったそれだけの言葉なのに、
それが無いと、どこか味気ない。

便利な時代になった。

でも、便利さと引き換えに、
人の気配が少しずつ消えていく。

そんなことを、セルフレジの前でぼんやり考えていた。

まあ、とはいえ。

もし花むらが完全セルフレジになったらどうなるか。

「幕の内どこですか?」

「すいません、ご飯大盛りできます?」

「今日は煮物あります?」

……たぶん機械がパンクする。

やっぱり花むらは、
人間レジのままでいこう。

そう思った、ある日の出来事でした。