あまりの暑さに、子どもの頃に読んだ童話を思い出しました。
『北風と太陽』というお話です。
北風と太陽が「どちらが強いか」を競い、旅人の上着を脱がせようとします。
北風がどれだけ強く吹いても、旅人は寒さに耐えようと上着を押さえるばかり。ところが太陽が優しく照らすと、旅人は暑くなり、自分から上着を脱いだ――。
たしか、そんなお話でした。
この童話では、太陽は旅人を優しく照らし、自然と上着を脱がせる穏やかな存在として描かれていました。
しかし、あれは昔の話です。
今の太陽は、説得などしません。
照りつける。焼きつける。体力を奪う。
一歩外へ出れば、そこにあるのは温もりではなく、もはや暴力です。
「北風より太陽の方が強い」
あの寓話の教訓を、太陽は少し極端に受け取りすぎたのかもしれません。
もう上着を脱がせるどころではありません。こちらは皮膚まで脱ぎたくなっています。
ちなみに会社では、外の暑さに加えて、厨房ではフライヤーや炊飯器からも熱気が押し寄せます。
前から太陽。
後ろからフライヤー。
横から炊飯器。
完全に包囲されています。
この季節、働いてくれているスタッフには本当に頭が下がります。
水分だけでなく塩分も忘れず、少しでも体調がおかしいと感じたら、無理をせず早めに休んでください。
北風と太陽が勝負をしていた時代は、まだ平和でした。
今なら旅人は勝負が始まる前から上着を脱ぎ、日陰へ逃げ、北風に向かってこう叫ぶでしょう。
「頼む。今日はお前が勝ってくれ」
