最近、SNSを見ていると、
「AI無加工です」
と、わざわざ書かれている写真を見かけることが増えました。
もちろん、その表現自体を否定するつもりはありません。
「これはそのままの写真ですよ」
と伝えたい気持ちも分かりますし、それを安心材料に感じる方もいると思います。
ただ私は、少しだけ思うんです。
そこまで「AI加工していないこと」を気にしなくてもいいんじゃないかな、と。
飲食店の商品写真というのは、昔から完全な無加工だったわけではありません。
照明を当てる。
きれいに盛り付ける。
一番おいしそうに見える角度から撮る。
明るさや色味を調整する。
プロのカメラマンにお願いすれば、当然そういう技術を使って商品を魅力的に見せてくれます。
では、それをAIが手伝った瞬間に、急に悪いことになるのでしょうか。
私は、そうは思いません。
小さな飲食店が、新商品を出すたびにプロのカメラマンを呼ぶ。
SNSに投稿するたびに撮影をお願いする。
もちろん、それができれば素晴らしいと思います。
でも現実には、時間も費用もかかります。
だったら、自分たちで撮影して、
少し暗く写った写真を明るくする。
実物ではきれいな色なのに、スマートフォンではくすんでしまった部分を整える。
余計な背景を整理する。
そういう作業をAIに助けてもらう。
私は、それでいいと思っています。
その分の時間や費用を、
商品の改善だったり、
材料だったり、
設備だったり、
お客様へのサービスだったり、
もっと別のところに使う。
飲食店としては、それもひとつの考え方ではないでしょうか。
ただし。
ここには大事な線があります。
「実物を伝えるための加工」と、
「実物とは違うものを作る加工」は、
同じではありません。
唐揚げ5個の商品を8個にする。
実際には入っていない食材を足す。
普通の大きさの商品を、ものすごく大きく見せる。
そこまでいけば、お客様が実物を見た瞬間に答えが出ます。
写真を見て期待して、
商品を手に取って、
「全然違うやん」
となれば、AI以前の問題です。
逆に、
「写真通りやな」
あるいは、
「実物の方がええやん」
と思っていただけたなら、それでいい。
結局、飲食店には必ず
「実物との答え合わせ」
があります。
だから実は、AI加工をする側の方が怖いのかもしれません。
写真をおいしそうにすればするほど、
自分で自分の商品のハードルを上げていますから(笑)
花むらでも、写真の調整にAIを使うことがあります。
これからも使うと思います。
便利ですし、助かっています。
でも目指しているのは、
「実物以上の商品を作ること」
ではありません。
実際に目の前にあるお弁当の良さを、
写真でもできるだけ伝わるようにすること。
それくらいが、ちょうどいいと思っています。
AIを使ったか。
使っていないか。
そこだけで良い悪いを決めるより、
最後にお客様が実物を見て、
どう感じるか。
そっちの方が、
飲食店にとってはずっと大事なんじゃないでしょうか。
「AI無加工です」
と胸を張るのも、もちろんひとつ。
でも私なら、
「AIも使っています。でも、実物とかけ離れたことはしません」
そのくらいの方が自然かなと思っています。
便利なものは使う。
その代わり、
どこまで使うかは人間が決める。
最近はみんな、AIという言葉に少し神経質になりすぎている気もします。
もう少し肩の力を抜いて、
道具は道具として、
うまく付き合っていけばいいんじゃないでしょうか。
